2017年4月20日木曜日

喫茶・軽食 チュール(兵庫県神戸市)



前回ご紹介した喫茶 ベンさんのすぐ近くに、もう一軒、すてきな喫茶店があります。

地元に16年も住んでいながら、「昭和スポット巡り」さんの記事を読んで初めてこちらの存在を知りました。
意識しないと、意外と気付かないものですね。

まず、なんといっても、外観がとても素晴らしい。

上から順番に、二階窓の面格子。鮮やかなオレンジ色の装飾テント。中が見えそうで見えないレースカーテンの隙間から漏れる、ぼんわりと光る照明。そして、ささやかな路上園芸。この側面だけでも、喫茶好きのココロをつかむ色んな要素が詰まっています。




中は決して広くありませんが、かといって狭すぎることもなく。
天井が高くて、落ち着いた空間です。

内装は、定期的にワックスがけをしたりしてはいるものの、ほとんど手を加えていないとのこと。





モーニングサービスは、A~Cの中から選べます。

待ってる間は、ずっと外を眺めていました。
ずっと住んでいて見慣れた景色のはずなのに、ここから眺めると、不思議と新鮮に映りました。


ゆで玉子のついたBセット。コーヒーは、アメリカンとカフェオーレにも変更可能です。

缶ボトルのカフェオレは時間が経っているせいで、少し牛乳くささがツンときて苦手なのですが、喫茶店で飲むカフェオレは本当に美味しいですね。ゆで玉子との相性も最高なのです。


チュールさんは、この辺りでは最も古い、昭和48年の創業。

とても物腰がやわらかなママさん…というよりかはお母さんといった感じで、壁面には常連さんが撮ってきた写真が飾ってあります。常連の皆さんは、思い思いにタバコをふかしたり、週刊誌を読んだり、カレーを食べたり。それでもお店を出る際は、お母さんとのちょっとしたやり取りがあって、お互い昔からの信頼があるんだろうなぁという、まったりとした居心地の良さを感じました。

お店の話を聞いている途中で、有線からカーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」が流れ、「ちょうど私たちがこのお店を始めた頃に流行った曲ね」と語るお母さん。ご主人が他界されても、なお使い続ける"私たち"という言葉に、少しじーんときてしまいました。

ああ、いつまでもそこにあってほしいなと、心からそう思った喫茶店でした。
今度はおにぎり定食、食べに行きます。


住所 〒651-1132 兵庫県神戸市北区南五葉1-4
電話 078-592-1100

☆純喫茶一覧はこちらから( ・×・)

2017年4月19日水曜日

喫茶 ベン(兵庫県神戸市)




金沢から離れ、こちらは神戸の団地商店街にある喫茶店。

現在は金沢に住んでいますが、元々は幼稚園から高校時代までを、神戸市の北区で過ごしました。その頃、生協(コープさんと呼んでいた)裏のこの界隈でよく友人と遊んでいたりして、もう数え切れないほど通った道ですが、この喫茶店から漂う"大人しか入れない場所"感は相当なもので、一度も入ったことはありませんでした。今ではそんなこと思いませんが、当時は威圧感すら感じていたような記憶があります。

そして、喫茶店に興味を持ち始めてから初めての帰省で、今回ようやく、念願のベンさんに入店することができました。

ある意味、今までで一番緊張した入店でした。


訪れたのは午前10時過ぎ。遅めに起きた地元のおじ様たちが、近くのコンビニで入手したであろうスポーツ紙を広げながらコーヒーを飲む姿に、少しホッとしました。地元にもこんな風景があったんだなぁ、と。



店内は明るく、しかし確かに歴史を重ね続けてきた重みをインテリアから感じます。

およそ40年前に開業したての頃は、オープン前に行列ができるほどの賑わいがあったそうです。


うぉぉぉぉぉ。こんな店やったんか~~~。


照明の創り出す影が美しい。





「おいしい……ブレンドコーヒーをどうぞ!」
溜めることで説得力とインパクトが生まれる。


たまごサンドとコーヒーのセット。
ふわっふわで、少し入った辛子がよいアクセント。コーヒーによく合います。


最後にいただいたマッチ。かっこいい。

帰省中に二度お邪魔しましたが、意外と知られていない地元の秘密も聞けて楽しかったです。
この日常が、いつまでも続きますように。


住所 〒651-1132 兵庫県神戸市北区南五葉1-1
電話 078-591-1885

☆純喫茶一覧はこちらから( ・×・)

2017年4月1日土曜日

加登長 泉丘店(石川県金沢市)



県立泉丘高校のお隣にある香ばしい店構えの加登長さん。
なかなか立派な看板建築です。


タヌキが出迎えてくれます。お邪魔するぜ。


地元の友人からおすすめを聞いていたので、さらりと注文。
かわいい水玉の湯のみを眺めながら待つこと10分。



あったかうどんの付いたカレー丼セットが到着。
半熟たまごの黄身をとろ~っと割って一緒くたにかき混ぜて食べるのがおすすめ。
(かき混ぜ後の写真はグロすぎるので自重しました)

うどんの繊細なだしの味を壊さないようカレーの辛さは控えめで、タマネギの甘さがナイスです~。



リズミカルな椅子の並び。



ごちそうさまでした。


住所 〒921-8116 石川県金沢市泉野出町3-10-1
電話 076-242-1622

☆純喫茶一覧はこちらから( ・×・)

2017年3月24日金曜日

ミリオン玉川ビル(石川県金沢市) ※解体


現在は解体され更地になっていますが、金沢彦三郵便局の隣には「ミリオン玉川ビル」という複合商業施設がありました。パチンコホールを運営する玉川物産株式会社(現 タマガワ・ウイル)が所有していたもので、昭和46年10月にオープン。

地下にはサウナ、1階にはパチンコ、2階には「実演劇場 加賀屋座」というストリップ劇場が入っていました。

こちらは現在でも残る「ミリオン片町ビル」。昭和52年に旧 三幸九龍ビルを取得して片町進出のきっかけとなった物件で、昭和53年1月5日の北国新聞 広告によると、5階にはサウナ九龍、2階と地下にはスナック街、1階には中華料理 九龍が入居していたとのことです。

※スナック 一覧(昭和53年1月5日 当時)
【 2階 】 ソウル / かな女 / ダークボックス / ジャン / ニュー淀 / 鍵 / 琹 / サロンビキニ / リーベ / バッカス / ミッドナイトクラブ

【 地下 】 ノエル / ブラック / コンパニオン / 貴乃 / たつだ / 名船 / 泉 / 富美 / 渚 / 勢 /リスボン



玉川ビルに戻ります。
正確な時期は把握できませんでしたが、2階はストリップ劇場からカラオケに変わったようです。

よく見ると、それぞれフォントが違っていますね。




ちょうど解体の真っ最中で、中がむき出しの状態になっていました。



今や市街地の大型サウナは「サウナ片町」が残るのみとなっていますが、この当時は意外と点々とあってそれなりに賑わっていたようです。




住所 〒920-0854 石川県金沢市安江町1-30

☆純喫茶一覧はこちらから( ・×・)

2017年3月18日土曜日

ドライブイン小牧(富山県砺波市)



ドライブイン頼成山 を出た後、砺波で一番気になっていたドライブインへ。
庄川遊覧船乗り場のお隣にあります。


こちらの魅力は、なんといっても最高のロケーション。川に手が届きそうなほどの近さです。
まるで船の上にいるかのような気分を味わえます。




雪化粧した山の風景や洞門を見ながら、お食事を待ちます。


うどんが付いた山菜丼セット。だしが効いててまいうーです!
ハンバーガー食べられなかった分、余計においしく感じました(^▽^;)


開業してから50年ほど経っているそうですが、ガラス張りの面も多く、古臭さは感じません。



地下駐車場にもお邪魔しました。

ここには昔、桟橋がかけられており、木材などが運ばれていたとのこと。

この機械で、川から舟を引き上げていたようです。


ここは季節ごとに来る必要がありそうですね…。




庄川遊覧船乗り場。
船でしか行けない温泉宿として有名な大牧温泉への便も、こちらから出ています。富山で休もう。


遊覧船乗り場周辺を散策した後、もう一度お店に戻って、とちの実コーヒーを。
あま~い香りのするコーヒーで、砂糖を入れなくても、自然の甘さで十分楽しめます。
必ずまた行かせていただきます!


住所 〒932-0304 富山県砺波市庄川町小牧72
電話 0763-82-1052

☆純喫茶一覧はこちらから( ・×・)