2016年4月28日木曜日

水茶屋 懐古洞さかえ(石川県金沢市)



尾山神社前商店街にある骨董品店兼喫茶店です。金沢、いや北陸に数ある喫茶店の中でもかなり強烈なマスターが切り盛りされています。店内が暗くてよく見えませんが、ちゃんと営業しているのでご安心を。



がらがら~と扉を開けると、誰もいない様子。店内を物色していると30秒ほどして、奥の座敷からマスターが登場。カウンターに案内され、少し高めのイスに腰掛けます。目の前には、圧倒的な存在感を放つコーヒーミルが。




大正時代に製造された、STAR COFFEE MILL。鋳鉄製で、重さのバランスをとるためにハンドルのもう片方にも同じ重量の車輪が取り付けられた、シンメトリーな粉砕機です。完動品が少ないらしく、10年以上探し求めようやく手に入れた貴重な一品。部品のストックもないため、とても大切に手入れされています。マスターのお話によると、こちらの機械は日本衡業(倒産)という会社が製造したもので、日本で作られたものに限り木製の台座が使われているとのことでした。

とにかく音の重厚感がすごい。大きな音なのに、心地よく耳に響き渡ります。
挽き終わると、「ほ~ら、こんなに均一に細かくなったでしょ?」と見せてくれました。 

蕎麦猪口に取っ手をつけたオリジナルのコーヒーカップでいただきます。すぅっと身体の中に溶け込んでいくような、嫌味のない苦さ。ほのかな酸味。ほんの少しだけ砂糖も入っているのですが、かき混ぜないことで最後の一口にほんわかとした甘さが加えられて、満足感のある一杯に仕上がっています。

雑誌 珈琲時間にも掲載されました。

一息ついたところで、改めて店内を物色。




さすがは100年以上も続く骨董品屋さん。
いたるところにアンティークな品々が散りばめられていて、思わず胸がときめきます。


中でも目につくのが、やはりカウンターの照明。明治と大正に作られたものが交互にぶら下がっていて、この時代に女性がかぶっていた帽子をモチーフにしているそうです。美しい。


貴重なSTAR COFFEE MILLを、物珍しそうに見つめるうさぎ。
マスターの提案でこの構図になりました。



最後に、自慢のマッチコレクションを見せていただきました。
今はなきグリル仙宝閣(現在のアトリオ付近)と会館グリルのマッチも見ることができて幸せでした!

住所 〒920-0918 石川県金沢市尾山町2-43
電話 076-231-4653

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